ヤドカリと磯の生き物の飼育

31話
トップページ ヤドログ 金魚 オカヤドカリ 海ヤド

イソギン産卵!

↑産卵翌日。グロッギー気味のお吟婆さんの前で、
コケ摘みにいそしむホンヤドカリの「チビ」。
(07.09.28撮)


 ことしの大阪は10月も終盤になってようやく秋だ。わたしもつい最近Tシャツ一枚の生活からトレーナーに着替えたばかり。前回更新時(7月31日)の冒頭に気象予報士の予想が猛暑から短い夏に訂正されたと書いたけれど、ぬわんじゃい!やっぱり猛暑+長い夏やったやないか。毎年夏にはとことん「南洋の営倉」状態になるデスクボーイ海ヤド水槽だけど、今年は脱走常習者のエビやカニが居なかったこともあって、ガラス蓋を1cmくらい持ち上げて対応できたので、冷却ファンを回さずとも何とか30℃を超えずに済んだ。そのかわり水槽周辺がエアレーションの潮だれでカパカパになってしまったが。さて、現在(10月26日)の水温は27℃前後。まだヒーターのサーモランプが点灯することはない。

 今夏は、わが半世紀にわたる人生の中でも稀有なことに、ついぞ一度も海やプールや大浴槽やJRやクルマやバーの床に足を付けることが無いままに終わった。したがって白浜にも明石にも間人にもスパワールドにも飲み屋にも行けず、採集も深酒も無し。ま、貧乏のせいだが、海は見られずとも人工海水には毎日指を浸けていたから良しとするか(笑)。身動きが取れないぶんボンヤリ水槽を眺めている時間が長くなって、写真はそこそこ撮れたし。結果、監視も行き届いたようで海ヤド槽の住人に脱落者無し。猛暑にしては上々の首尾だろう。とはいえ、記事に目新しい話題も無い。とりたてて言えば、お吟婆さんの産卵の瞬間に出くわしたことくらいである。

 このところ、イソギンチャクの死活問題ばかりで繋いできたので恐縮なんだけれど、そういうわけで今回もまたお吟婆頼りの記事となってしまった。一旦はかかりつけの医者(あたし)に「ご臨終です」と診断され、葬儀屋(あたし)に水槽から取りだされて、いざ「埋葬にございます」というところまで行きかけたお吟婆さんだが、その後、意地を見せて驚異的復活。9月の大潮前後にはドバーッと産卵するまで回復した。前回記事の「誰のタマゴやねん!」のタマゴは、やはりお吟婆の卵だったのでありました。



二度目の夏を無事越したお馴染のヤドカリ二匹。
↑この夏も結局採集に行けなかった。
なもんで、水槽の面子はあいかわらず前回のまま、ヤド連は二匹のみ。
しかし猛暑にもかかわらず脱落者ナシというのはメデタイことだ。
写真はイソヨコバサミ(名前はまだない)。
やはりイソヨコはホンヤドより成長が早いようで、
チビとは体格にずいぶん差がついた。
(07.10.10撮)

↑こちらはホンヤドカリの「チビ」である。
クボガイからイシダタミガイに宿を替えたが、カラダの成長はゆっくりだ。
この個体は、特に歩脚が華奢で細っちいが、
夏の間に二度脱皮をして、欠損していた左の第三脚は復活した。
「先任」は暴れ者だったけれど、こいつは結構大人しくて、
いつも岩陰でじっとしているのを好むようだ。
(07.09.28撮)



 ここしばらくは水槽環境について書いていなかったので、新しくお越しになった方のために、当「デスクボーイ・海ヤド水槽」の簡単な説明をしておきます。水槽は「ファイブプラン(現ジャックス)・デスクボーイ水槽」(18×18×60cm)で水量18L。今はもう生産されていないかも。しかしこのサイズの水槽は海水魚飼育にはハッキリ言って不向きです。水量が少ないので気温の変化に水温が極端に反応して大変です。高さが低いので脱走が容易。フタの隙間から跳ねて出ると即ミイラに。またエアレーションでそこらじゅうが潮だらけになります。新たに飼育を始めようとする人は、もっと大きくて深さのある水槽を選んでください。

 底面4分の3のスペースに底面フィルター板を敷き、これに水中ポンプ「ニッソーSQ-10」を設置して回しています。底砂はサンゴ砂「粗目・中目・細目」マゼマゼです。サブフィルターに「イーロカPF200」を投げ込み使用。これは水槽枠が邪魔で外掛式簡易フィルターが使えないためやむなくの処置。最近の水槽なら枠無しが主流なので熱を出さない外掛式が使えます。これに20cmの棒状ストーンと簡易濾過器「ローターS」でエアレーションをし、ローター内には専用濾材バクターセルとヨウ素イオン樹脂抗菌剤「アイオマックペレット」を入れて回し、海水の殺菌をしています。ヒーターは「ニッソーオート100」使用。冬季はおおむね23〜25℃の設定です。照明は8Wの蛍光ランプ。管の種類をときどき換えて、湧いてくる生物の変化を愉しんでいます。現在使用中なのは「オセアニアンホワイト」。他に3種ほど用意してあります。

 インテリアには、ショップで買ったコブシ大のライブロック(3つに割れてしまった)。中央にサンゴ岩(内部に通り抜けられる穴が多数開いているので、カニなどの棲み家に都合が良い)を設置。これは元々市販の水槽用品でしたが、いまやライブロックになってしまってます。あと一つは水槽インテリア用品の穴あき装飾岩で、これはデスロック。なんかプロレスの技みたいですがw。ほかにも磯で拾ってきたサンゴのカケラなんかを入れています。

 人工海水は「テトラマリンソルト」でおよそ20日置きをメドに10L交換しています。エサは毎朝、配合飼料(キョーリンヤドカリのエサとテトラミニグラニュール沈下性)一つまみ。二日置きに冷凍シーフードミックス微塵切。これは各々の生物に直接ピンセット渡し。あと塩蔵生ワカメ少々、というところです。味噌汁がシジミやアサリのときは元気なのを1〜2匹入れてやります。

 まあ、こんなところですが、詳細や使用感は過去の記事中にパラパラ出てきますので、そちらをお読みください。また、当・海ヤド水槽には「おサカナ」はいません。ヤドカリやカニその他の無脊椎動物ばかりですので、海水魚飼育の参考にされる方はご注意ください。



お吟婆さんとウニどん
↑7月の中頃に、コロンと岩から落ちてしまったのだが、
その後、むくむくと復活した「お吟」婆。
ちゃんと確かめていないので、あいかわらず種名はわからないけれど、
とりあえず、ヒメイソギンチャクということにしておこう。
他の連中が地味に地味に生きているというに、
死にかけたり、産卵したりと、話題作りでは大変お世話になってます。
(07.08.04撮)

↑水槽内を闊歩するムラサキウニの「ウニどん」。
一時の急成長はストップしたようで、あまり大きさに変化がない。
う〜ん、残念。でも喰うつもりで肥らせているわけじゃないし、
狭い水槽なんで、ま、このくらいでいてくれないと困る。
冬場が旬の生き物だから、冬にグッと成長するのかなあ。
体格が現状維持なのは、やっぱり夏の高水温のせいか?
(07.09.04撮)


お吟婆、二度目の産卵!
↑イソギンチャク産卵中。
イーロカから吐出する水流に乗って、「鯛の子煮」が桜花のように飛散する。
(07.09.27撮)


←さて、To be continued.……を受けて、
お吟婆シリーズ第4回は「二度目の産卵!」です。

前々々回(28話)は「生娘からオバハンへ」。
前々回(29話)は「溶解から復活まで」。
前回(30話)が「婆さん、生きるの死ぬの?」。
…まったく、飼い主を飽きさせない生き物でございます。
弱って底砂に横たわってしまったのを拾い上げて置き直してみたら、濾過器ケースにビタッと活着したというところから、続きのはじまりはじまり。
(07.07.24撮)
←しばらくの間、濾過器ケースに鎮座させておいたけれど、フィルターを掃除しなければならないので、めっぽう邪魔。移転の機会を窺っていたが、多少元気さも出てきたようなので、メンテの日に、脚が微妙に浮いた隙をすかさず突いて強制代執行を敢行。ひっぺがしたお吟婆を2つの岩の真ん中に置いた。「どっちでも好きなほうの岩を選びな」という親心だ。お吟婆は、今まで着いていたサンゴ岩をやめにして、穴あき石のほうを選択。アクア業者が水槽の装飾用にデザインして売っている、こんなまがいものの石を選ぶとは、永の貧水槽暮らしで母なる自然を忘れてしまったか。吟婆もヤキが回ったのう。
(07.07.31撮)
←ヤキが回ったせいなのかどうかは知らないけれど、お吟婆、このディスプレイ用穴あき石の周りをグルグル移動して落ち着き場所を探したあげく、中央の穴の中に落ち着いて、ぼわーっと膨れている。人工的に削ってある石だから足がかりが気に入らなかったのかも。しかしこの穴は、このところイボニシのアンダーテイカーが塒にしている場所だ。並んで居座ったので小さな空間がますます狭くなってしまった。イソヨコもちょっかいを出しに来た。「この穴、オレいつも通ってたのに、向こうへ行けへんやん!」
(07.09.04撮)

↑「やいこら、通せ!」とイソヨコバサミ。
わたしも何気に、吟婆えらい肥えてきよったなあ、と感じていたが、
じつは身重だったのね。
(07.09.04撮)


産卵当日グラフィティー

←この日は前日が満月大潮。たまたま水槽のメンテ日で、人工海水を交換してフィルターも掃除した。メンテ後、水槽がきれいなうちに、と撮影をしたので産卵直前の姿も写している。そう思って見ると、透けた口盤を通して、胴の中に白い内容物が詰っているのがわかる。
(07.09.27撮・以下同日)
←口盤部のアップ。卵塊(?)が触手の内側にまで溜まっているのが見える。

昔、五月みどりあたりが一念発起して、「熟女ブーム」みたいな香りを醸し出した頃があったけれど、当時のピンク映画のタイトルに「いそぎんちゃく婦人」てなのも、ちょいちょい混ざってたように思う。確かに…やらしい。お上の方、これ、無修正掲示「可」ですよね(笑)。わたしらのガキの頃にゃ、こんな生物写真でも頬赤らめながら食い入るように見詰めたものだが、今のご時世のガキどもは、たぶん何とも思わないのだろう。なにせネットやら何やらで「本物」を見慣れてるもんねえ。嗚呼、赤線廃止〜わいせつ裁判〜インターネット黎明の狭間に青春期を迎えた我が身の憐れさよ。果たしてどちらが「正しい教育の姿」なるや。…関係ねえなあ、この話。
←平成十九年九月二十七日午後五時頃、地鳴りとともに御吟山内輪火口付近が突然隆起し、数分後「ズボボボボ・・・・」の轟音を伴って、歴史的大噴火の幕が開いた(地鳴り、ズボボ…はイメージです。実際は無音す)。

図鑑によると、イソギンチャクの繁殖は種類によって、縦に2つに分かれる、脚付近から芽が出る、口の横に子供ができる、卵で殖える、などのパターンがあるらしい。お吟婆は卵タイプみたいだが、どうせなら、リボ分割タイプが嬉しかったのになあ。

↑「ブホ、ブホッ、ドドドドド・・・」(音声はイメージです)
「ああっ!あたしの大好物、『鯛の子煮』があっ!」
もう、長いこと食べてませんっ!く〜っ。ヽ(`Д´)ノ
(07.09.27撮)


←「ポンポンポンポン・・・タタタタ・・・」(音声はイメージです)

実のところ、気づいた時には、水槽中にかなりタマゴがばら撒かれた後だったのだけれど、その後も約15分くらいは放出を続けていた。未確認分の時間を推測すると、だいたい30分くらいかけて産卵するようだ。
←「ずひっ!ずひっ!ぱぱぱぱ・・・」 …もうええか。(;´Д`)

前回の産卵は3月17日で、翌日が新月の大潮。この日も人工海水を交換した直後だった。単純に考えると、6カ月周期の大潮の日に、海水換えでショックを与えたりすると産気づく、というルーティンが見えるのだが。つうことは次回、来年3月の大潮の日に海水換えをすりゃいい?
←「おや?季節ハズレの雪かのう…」

どうやらこの鯛の子、もとい巾の子は、あまり美味くないらしい。ホンヤドの「チビ」は振りかかるタマゴには反応せず、目の前のお膳(冷凍シーフード片)のほうに集中してセッセと鋏を使っていた。鯛の子には目がないあたしの羨ましさも少しは解消。でも行きたいぞ小料理屋。
(07.09.27撮)
←産卵翌日のお吟婆。「わしゃ果てたわい…」てな風情で萎んでしまった。隣で不動のアンダーテイカーは、「ああ窮屈やった」と、ひと息ついたとか。

さて、あれだけ多量に放出されたタマゴだが、前回同様、およそ一昼夜でほとんど姿を消してしまう。さかんに捕食されているようには見えないので、たぶん透明になってから自然に溶けてしまうのではないかと思うが、それにしても子イソギンが育っている気配は全くないぞ。老眼だけど。
(07.09.28撮)
←産後の肥立ちというけれど、お吟さん、アンタ触手に産み残しが溜まってまっせ。しかし器用なカラダしてまんなあ…。(おしまい)
(07.09.29撮)

その他のレギュラーメンバー近況
↑左のイボニシ「アンダーテイカー」は、もうふた月くらいこの場所にいる。
夜、たまには外出するみたいだけど、またこの位置に戻っている。
狩りもしないで腹が減らんのかいな、と鼻先にエビやイカを置いてやると、
面倒げに、ちょっとだけ動いてかぶりつく。
右は産卵を終えたお吟婆だが、アンダーテイカーにとって
イソギンチャク肉はどうやらアウト・オブ・眼中だそうな。
(07.09.28撮)


←障害物の多い難路だが、管足(歩体?)を総動員して素早くスムーズに進んでゆく、ムラサキウニの「ウニどん」。昨今、惑星探査車や災害地の瓦礫下救助用に、ムカデ形やヘビタイプ走行のロボット車が考案されているようだけど、非常にギコチないもんだ。あたしは「ウニに習え!」と言いたい。先端にバキューム吸盤を装着した無数のフレキシブルパイプをコンプレッサーに繋ぎ、コンピュータ制御で動かせば、どんな悪路も振動・転覆なしに通過できる。垂直壁もオーバーハングもへっちゃらぞ。これぞ、やわらかな発想。何?コストが掛かりすぎる?…すんません。
(07.09.04撮)
←こちらは、クリフレイシガイのハンニバル博士。どっしり構えて「動かざること山のごとし」のアンダーテイカーがどんどん大きくなってきているのに、ハンニバルの方は、物欲しげにいつもウロウロしていて落ち着かない。そのくせ、カラダは徐々に縮み気味。耄碌が進んだのか?
(07.09.27撮)
←夜、台所を見ると、明朝の味噌汁用のシジミが砂を吐かされていた。しめしめと2匹拝借して海ヤド槽へご招待。すると早速、ハンニバルがやってきて食事にかかる。冷凍シーフードにも寄ってはくるのだが、活餌だと全然意気込みが違うなあ。そうか、博士のショボクレの原因は、やはり生き血が足らんかったのね。
(07.09.28撮)
←アマオブネガイA・Bともに健在。この写真では短く見えるが、なんだか最近、二本の触角がずいぶん長くなってきた。上はホンヤドのチビだけど、このチビの触角より長いくらいだ。触角をフルに伸ばすと4cmくらいにまで伸びる感じである。しかしこの巻貝、なぜかイボニシやレイシガイには喰われないし、海藻も肉類も両刀で喰ってるみたいだし、時にはABくっついて仲良くしてるし、その割に全然増えないし、不思議な貝ですな。またこの貝殻、陸ヤドの宿に好評なくせに、海ヤドには不評で総スカン喰らってるのも不思議。
(07.09.04撮)
←ケヤリムシ(の仲間)は性懲りもなく、台風なのに傘を差している。しかしこいつらは生涯一穴主義なのか? 毎日のようにイソヨコがこの穴の上に跨がり、しつこくハサミでホジホジしているのだけど、引っ込んではじっと我慢でやり過ごしている。別の穴に移るとか、なんか工夫しろよ、なあ。
(07.09.27撮)
←あまり餌を食べていないはずなのに、むくりむくりと成長しているアンダーテイカー。こいつが肉食であることを承知の上で連れ帰ったのは、イボニシの貝殻が海ヤドの大のお気に入りだから。しかし磯では、大型のイボニシはなかなか見つけられないのだ。こいつもウチに来てから3年超。もう一年くらい育てば、ヤマトなんかに最適の、大きなお家に育つのだが…そう簡単に死にそうもないなあ。
(07.10.14撮)

↑またもやウニどんに踏まれる、チビ。
こいつはウニどんが動くたび、どうもその進路上にいることが多い。
ま、意地を張って逃げないから轢かれるんだけどね。
(07.09.04撮)

↑活シジミに取り付くハンニバル。
おや?レイシガイにもちゃんとお目目があるみたいですな。
(07.09.28撮)


ゴカイ一族の親分さん?珍しく顔出し
↑警戒心が強く、滅多に写真を撮らせてはくれない、
ゴカイ(オニイソメ?)の親玉たちだが、
どうしたものかこの日はわりに無頓着なのでありました。
(07.10.18撮)

←すぐそばでイソヨコがガサゴソやっているというのに、付近の地面がグ〜ッと盛り上がっては萎む。こりゃゴカイ様のお出ましだな、とソ〜ッとレンズを近づけて待ち構えていたら、まずヒゲだけ出して左右の様子を窺い、ついで、ニュ〜ッとアタマを出してきた。いつもはすぐにシュッと潜ってしまうのに、なんか暢気な感じである。上の方に「いそぎんちゃく婦人」云々なんて下らないコトを書いたけど、こいつも負けずに十分猥褻な漢風情を醸しておるのう。今回、当欄は18禁か?
(07.10.18撮・以下同日)
←ちょっと首をかしげてみたりして、キミ案外可愛いトコあるじゃない。

さて、わたしの持っている幼稚な図鑑の環形類の項には、精密に書き分けられたイラストや頭部アップの写真が載っていないので、この写真と突きあわせて種の同定をすることができません。どなたか、こいつが何者なのかお解りの方がいらっしゃいますか? 長さは30〜40cmくらいあると思います。ぜひご教示くだされ。
←しかし、以前バチ抜けしたヤツらとは、全然顔つき体つきが違うなあ。シロートのあたしが見てもあきらかに別種のようですね。じゃあ、あいつらはドコへ行ったのか。こんな小さな水槽の底、ほんの3cm程度の厚みの世界でも、熾烈な覇権争いが日夜繰り広げられているんですなあ。世の中はどこもかしこも厳しいなあ。
←キミねえ、やはり触角が5本という奇数なのがいかんのだよ。これが婦女子に嫌われてしまう致命的原因だ。人間つうのは勝手なもんで、偶数には何となく安心するんだけど、いざ奇数本のカラダのパーツとなると、いきなり嫌悪感を持つようで。宇宙人の想像図に代表されるような「怪奇風味」を感じるんでしょうな。自分だって鼻や口やチン○コや手足の指なんかは奇数のくせにね。


↑「おいらはイソヨコ様だ、デカくなっただろ!どーだい!!」
でも、やっぱりブリキと針金を丸めたり貼りあわせたりして作ったような、安もん臭いカラダつきだなや。
(07.10.18撮)


真夏のデスクボーイアパート
↑上階が陸ヤド舎、下が海ヤド槽の二階建デスクボーイ文化住宅。
夏の海ヤド水槽は水温がグングン上がってタイヘンだ。
30℃を超えそうになると、ガラス蓋の片側を持ち上げ、
ミニ冷却ファンの送風口を挿し込みブワーと水面に風を当てる。
するとこんどはイキナリ5℃くらい下がってしまうし
真水分も500ccほど蒸発して塩分濃度が急に上がる。周りは塩だらけ。
極端が一番いかんのに。悩ましいなあ。
(07.07.24撮)

前門の磯横、後門の雲丹

←ホンヤドカリのチビが昼寝をしているところに、背後からウニどんが迫ってきた。まんの悪いことに正面にはイソヨコバサミが立ち塞がっている。「もう、鬱陶しいなあ」
(07.09.04撮・以下同日)
←こうやって写真を見ると、イソヨコがその巨体を利してホンヤドを虐めているように見えるけれど、実はそうではない。イソヨコバサミは、手前の体力のことを考慮せず、とにかくやたらとデカイ貝殻に入りたがる傾向があり、こいつも身不相応な貝に入っているので、しっかりした脚がかりがないと重くて自由に動けないのである。
←たまたま脚の届くところにチビがいたので、その貝殻に脚を引っ掛けて前に進もうとしているだけなのだ。ハッキリ言って、イソヨコはおバカなのである。だからチビも相手にせず、さっと脇に避けてしまう。「おい、待ってくれよ〜、そこにおまえがいないと前に進めん!」


人別帳&過去帳
↑さて、お約束の人別帳&過去帳コーナーですが、
今回は全員健在だったので住民票だけなんでございます。
「俺はまだ生きてるっての。遺影にするなよな!」
あんたが「怨めしや〜」の手をしてるもんやさかい、つい。
(07.10.18撮)

住人覚え書/2007.10.26現在

●先住者(2004.7.18採集)水槽在住3年3カ月
・ハンニバル(クリフレイシガイ)
・アンダーテイカー(C型イボニシ)
・ゴカイ類:大小各種無数(採集日というか混入日不明/誰がどう代替わりしたかも不明)

●06年春入居者(2006.4.18採集)水槽在住1年6カ月
・ホンヤドカリ:1(チビ)
・イソヨコバサミ:1(名前はまだない)
・ヒメイソギンチャク:1(お吟婆)
・ムラサキウニ:1(ウニどん)
・アマオブネガイ:2(アマオブネA・B)

●過去帳(2007.7.31以降/確認できたもののみ)
・目立った没個体ナシ


海ヤド水槽・スナップ写真

←ホンヤドカリは、おおむね活発な種なのであるが、この「チビ」は珍しく陰気な個体である。まあ、やって来たときは米粒大でありながら、当時の大勢の敵と危険だらけのキビシイ環境をしぶとく生き抜いてきたのは称賛されるべきだが、その境遇がトラウマになってしまったのかも知れないな。
(07.09.28撮)
←二度目の産卵を終えたお吟婆は、装飾穴あき石を見限って、苦労しながら地べたを移動。元いたサンゴ岩の方に戻っていきましたとさ。
(07.10.14撮)
←う〜「跳馬!」。
両バサミが同じ大きさのイソヨコじゃないと、できない芸ですな。
(07.10.18撮)
←「こ、この家、重〜い」
そんなに苦労してんなら、さっさと替わりゃあいいのに。アホ!
(07.10.18撮)

↓沈む夕日を背に受けて、イソヨコ君は今日も家探し。
(07.09.04撮)
2007/10/26 (Fri)

30話へ 32話へ

(c)Copyright "cave" All right reserved. テキスト・掲載画像の無断転載を禁じます。