金魚と淡水魚の飼育
04話
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金魚、三たび 〜飼育システムを大改造〜


 ようやく肌寒くなってきた。ということはおのおのの水槽にヒーターを取り付けてやる時期だ。夏の間の砂の汚れも洗ってやらねばならない。この機を逃せば水はうんと冷たくなり、なによりオレがおっくうになってしまうだろう。
 この夏は白カビ病で5年目の金魚を一匹昇天させてしまった。その60cm水槽の水質もなかなか改善されないし、ホンヤドカリとルリスズメダイの海水魚水槽が増えて、水槽が四つになった。週末の世話にも数時間を要するようになってしまった。
 オレ自身の景気もよくない折だが、ここは一念、大掃除を機に飼育システムを一気に大改造することにした。

 まず大小二つに別れていた金魚の水槽をひとつにまとめた。五年目の30cm級金魚がいる60cm水槽と濾過システムを廃止、二年目の金魚が二匹入っているオールインワン水槽(ルームメイト901N)をオカヤドカリ用に転用、ニュースティングレー110という75cm水槽を新規導入(清水の舞台跳びその一)し、エーハイムエコ2233外部式フィルター(清水の舞台跳びその二)に、水質改善の期待をかける。あとは手持ちのアクセサリーを工夫してやりくりすることにした。

 60cm水槽のグレードアップと言えば90cm水槽が一般的なのだが、うちにはとてもそれを設置するスペースがない。用品の購入などには苦労しそうだが、規格外ともいえる75cm水槽でお茶を濁すしかない。この水槽、サイズは750×450×450で水容量が約130?、60cm水槽がだいたい60?だから、サカナにとっては倍以上のスペースとなる。チビ金が二匹同居するが、これだけあれば30cm級ヒブナにも若干は窮屈さが解消されるだろう。オレにとっても淡水水槽がひとつになるのはメンテ上ありがたい。

 さて、問題の濾過システムだが、60cm水槽では、上部式スライドフィルターに外部式(フルーバル103)をプラスしても水質悪化が頻繁で、病気も多発した。このとき感じたのが外部式のメンテの面倒さだった。ホースの取り扱いと呼び水作業などが、掃除をおっくうにする。また上部式は夏、悪臭を放ち家人の攻撃のキッカケとなりやすい。んなわけで考えたすえ、メンテの簡単そうな外部式一つにし、あとは手持ちの簡単な補助フィルターで補うことに決めた。カタログを物色して呼び水不要のもののなかからエーハイムエコ2233(ドイツ製)を選んだのだが、フルーバル(イタリア製)とくらべてみると、そのお国柄がでていて面白い。ドイツ製のエーハイムはパーツが少なく、「簡単に纏めてやったんだから、この通りの使い方をしなさい。あなたはなにもする必要がありません」つう態度だ。たしかに設計思想などは考え抜かれている感じで、出入水バルブにホースを繋げば終わり、だ。ところが各ユーザーにはその家の事情というものがあり、やれホースの取り回しが辛いだの、水槽のこの部分に取り付けたいだの、こちら側には置けないだのと問題が続発し、その場合足りないパーツがでてくるのだ。うちの場合も同様、設計者のお勧め通りストレートに使うわけにいかなかった。そこで役に立ったのが以前から使っていた旧式のフルーバルだ。こちらはやたら繋ぐのが堅かったり複雑だったりメンテが面倒だったりで、なげやりなつくりだったが、そのぶんパーツが豊富だ、ジョイント用パイプも「水道管ゲーム」みたいにあらゆる方向や角度のものがどっさりついている。「もう事情考えるの面倒だから、とにかく種類たくさんいれといたから自分で考えてどれかで間に合わせて使ってちょ」というイタリア的態度。だから箱を調べてみると使ってないパーツがたくさん残っている。これらを頑固なドイツ製の本体と組み合わせて理想の配管が完了した。特別出費はなし。水槽が日本製だから、我が家のアクアリウムは日独伊三国同盟とあいなった。それでもこのシステムが成功かどうかはやはり時間が経ってみないとなんとも言えない。とにかくメンテナンスはすこしは楽になりそうだ。

 それにしてもこの水槽のトータル重量は150kgを超えている。60cm水槽導入の時、水槽台用に家具屋で物色してきた安売りの下駄箱を継続使用しているのだが、はたして大丈夫なのか? いちおう、つくりは確かめて買ったのだが…。

 ホンヤドカリとスズメダイの海水魚水槽はいままで同様デスクボーイ水槽だ。これにルームメイトのオートヒーターを転用して冬に備える。茶ゴケが凄いのでローターSという簡易濾過装置と底にバイオシートを装着。サンゴ砂も洗った。海水魚水槽ってのは「海苔の佃煮」の匂いがするんですね。生意気にも。砂を洗いながら思わず「い〜そいそいそ磯自慢…」って口ずさんでしまいました。
 二台目のデスクボーイ水槽はオカヤドカリ用だったがこれはお役ごめんにして、ルームメイト水槽に引っ越し。冬越し用のヒーティングストーンを設置する。水を入れた容量は同じくらいだが、こちらのほうが縦の空間がとれるので流木と枯れ枝で立体的なレイアウトにできる。オカヤドカリもこの夏何度か脱皮をして、ひとまわり大きくなった。近所の東急ハンズが手芸用貝殻とアクアリウム用品の販売を止めてしまったのが痛いが、手持ちの貝殻であと一、二年は繋いでゆけるだろう。もっともヤドカリの住み心地のお好みは無視することにはなりますが。うちのオカヤドカリはかなりの色白タイプなので、ひ弱そうだが、やたらマクドナルドのフライポテトが好物なので、たぶんメスなのだろうと勝手に納得している。

 二日がかりで、一気にこれだけの作業をしてしまったのだが、実はオレは風邪の最中で発熱しながらの狼藉だ。なにぶん水ばっかり扱うものなので、また例の悪臭蓄膿が再発してしまった。嗚呼、洗った砂はバケツ三杯、使ったティッシュは三箱だ。


↓ 淡水魚水槽  75cm×45cm×45cmの水槽。
金魚3匹とヤマトヌマエビ、石巻貝が生息中。(00.11.19撮影)
2000/11/05 (Sun)

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