金魚と淡水魚の飼育
05話
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年増の産卵


 前回、金魚の水槽写真を載せてみたが、昨日帰宅してみると、ギョエー!写真中央の30cm級が産卵しているではないか。この金魚、雌である、が長い期間産卵してはいなかったので、てっきりおアガりになられているものだと思い込んでいた。夏に昇天した同型の雌のほうが頻繁に産卵して水を汚していたのだ。そのときは水槽内には雌が2匹いたのみで、孵化する可能性はなかった。が、今回は違う、チビ金2匹は雄なのだ。体型は巡洋艦と特設駆潜艇くらいの差があるものの、いちおう男の子、いや成魚なのである。追星(おいぼし)もはっきり出ているのだ。駆潜艇2隻はいきなり発情して巡洋艦の船底プロペラシャフトあたりをめがけて突きまわし追い回す。ふだんはおっとりした動きの鈍い巡洋艦だが、攻撃を回避しょうと両舷全速で泳ぎ回り水槽ガラス面に激突を繰返す。巡洋艦の艦首部分は衝突で完全に変形し内出血、皮も剥けてしまった。まる一日以上その大暴れを繰返したあげく産後の疲れも重なって哀れ巡洋艦はときどき艦首を下にして逆立ち状態になるに至った。このままでは沈没である。今週はメンテなしの予定だったのだが、しゃあない。重い腰をあげてバケツを持ち出した。普通は桜の花が咲く頃なんだそうだが、ウチでは一年中無差別にくる。

 いままで(雌のみ)なら、卵を気にせずどんどん換水して卵が腐らないようにきれいな水質に保ち、餌を与えずに置けば、金魚は卵を餌にして掃除をかね一件落着であったが、今回は受精卵の可能性があるのでちと考えねばならない。ともあれ、轟沈寸前の巡洋艦を救出すべく、雄チビ金2匹をバケツに移し、エアレーションをする。しばらくすると水温も低めのせいか、頭を冷やしたチビ金はバケツの中で神妙になった。雄がいなくなると巡洋艦はすぐに艦首を水平に戻し、落ち着いた様子。3分の1ほど底砂にふれずに換水した。ひとまずは安心だ。

 サテ、である。この卵をどうするかだ。受精していなければいままでと同様なのだが、孵化しだすようになると事は面倒になる。俺は金魚屋じゃない。が、稚魚が泳ぎ出すのを目にして放っておけるような性分でもない。しかもこれから冬の盛りに向かい飼育には手がかかる。なにより俺はメンテナンスを簡略化したいがために、不本意な投資をして水槽を纏めた矢先なのに…。家人は稚魚が見てみたいとヌカす。子供達も追随するに違いない。俺は嫌だ、が子供達に殺人(魚)鬼だと突っ込まれるのは目に見えている。う〜ん、ま、しばらく様子を見よう。水温23℃だからだいたい4〜5日が孵化のめやすだ。どうぞ受精してませんようにと祈りつつ…。


↓ 艦首破損状況 ガラス面に激突をくり返し破損した口部の現況。(00.11.27撮影)
2000/11/25 (Sat)

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