金魚と淡水魚の飼育
01話
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金魚について


 水槽が三つ。毎週週末に掃除・水換えをする。一番大きいのは60cm水槽で五年目の雌の金魚が二尾。二つ目は18?クラスのオールインワン水槽で、こちらには二年目の雄の金魚が二尾、石巻貝が三匹、ヒメツメガエルが一匹。先週までヤマトヌマエビがいたが天に召された。三つ目はデスクボーイ水槽で、これには水はなく素焼きの小石を敷いてある。オカヤドカリが一匹。なんとか冬を越して元気ではある。
 これらの世話にだいたい一時間半はかかる。その時間のほとんどは60cm水槽が占める。二尾の雌は体長がそれぞれ25cmを超えており、糞による水の汚れも凄まじいうえに頻繁に卵を産み、それが腐るから大変なのだ。

 僕は子供の頃は生物の飼育が好きで、いろいろな種類のものを育て、死なせてもきたが、今飼っているこれらの金魚は趣味として飼いだしたのではなく、子供達が縁日等で掬ってきた「金魚すくい」のいわゆる「小赤」と呼ばれる金魚を「殺さない」ようにしてきた結果、だんだん大層になってしまったのだ。趣味としてのアクアリウムをやるのなら、金魚や熱帯魚ではなく、この国の淡水系の小さな魚を飼ってみたいと思っていた。フナ、メダカ、オイカワ、タナゴ等である。ところがこれらの魚は非常にデリケートらしく、今の僕にはそこまで緻密なメンテナンスをする余裕はないので諦めている。

 金魚は確かに強い。観賞魚としての歴史が長いから、健康な素質をもった個体なら放っておいてもそう簡単にクタバルことはない。しかし、現在の至れり尽せりの熱帯魚用の水槽システムで室内で飼育していると、過保護になるのかどんどん成長してしまい、その強さが仇になってしまった。25cmが二尾だが、これはもう「鯉」に近い。鮨屋の水槽に泳いでいる鯵なら、刺身にしてもらうにはちょっとためらうような型だ(もちろん僕の財布では)。大きな庭のあるような邸宅の池で猫に狙われるというのがふさわしい型なのだ。

 60cm水槽にセットされていた上部式フィルターだけでは週一回の世話で水質を保てなくなったので、外部式フィルターも加えた。底面式フィルターも併設した。しかしそれでも水カビは頻繁に発生するし、大量の糞に対応しきれない。もはや週二回の水換えが必要になろうとしている。PHも(これは敷き砂のせいか)どんどん低下し、薬剤を加えると、こんどは環境の変化のせいか産卵する。それも大量に。それがまた水を汚す。そうして今度は90cm水槽プラス大形外部フィルターの購入を考える事となる…が、そんなもんこの狭い家のどこに置くねん!金はどうするねん!

 昔の金魚といえば、あの花のツボミのような形の金魚鉢にさも涼し気に泳いでおった。洋の反対側でもディズニーのアニメに出てきた色っぽい金魚もあの鉢に入っとったではないか!しかしあの型の水槽じゃ酸欠でそう長くは持たないはずだから、夏が過ぎるとまだきれいだった近所の小川にでも放流していたのか…。ウチの近所の川といえば神崎川…五分は持たんなあ。

 たかが金魚、されど金魚である。お釈迦さんも言うてはる。「殺生」したらいかん、と。どうする。



2001/07/02 (Sun)

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