旅の写真とスケッチ・紀行
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下北沢酒日記(page3・番外編)
―プロレス・スナック STEPPLE HOUSEの落日―


夢日記

1991(平成3)年2月7日 am:300頃

場末の風情の町並み(下北沢ではない)を歩いていると、向こうから死んだはずのステップルハウスのマスターが歩いてくる。俺はマスターが無茶をして死んでしまったことに腹を立てていたので、怒鳴るように声をかけた。彼は「とにかく、みんなに迷惑をかけたのは悪く思っている」と呟いたが、まあ、店に行こうということになり、二人でステップルハウスに入る。店内は、仲間で全部片付けてしまったのでガランとしていて何もない。ただ店は割に広くてカウンターに向かって左側にドアがあり、元のレイアウトと反対になっていた。カウンターを挟んで向かい合って今回の狂言の事情を聞く。マスターの話によると、地方の友人のところへずっと遊びに行っているうちに自分が死んだことになってしまった。戻ってきたら、店は片付いているし契約も解除になっていたので、店を続けるわけに行かず困ったという。俺は通夜やら火葬やら片付けやらでみんな大変だったことを告げ、若い常連たちが強く悲しんでいるので、生きていることをもう知らせたのかと聞いた。彼は何人かには電話をしたという。そのうちカウンター上の電話が鳴った。本人が帰ってきているのだから、ちょっとイタズラをしてから後で喜ばせてやろうと俺が電話をとり、マスターの声色を真似て「はいステップルです」と言った。相手は若い女だけれど驚かないので面白くない。すぐに本物のマスターとかわる。ああ、あいかわらずだなと思い、電話を続けているマスターに「とにかくみんなに謝っておくように」と声をかけて店を出た。


stepple house記事

 週刊プロレス310号
 (1989・4・25号)
 WEEKLY FOCUS欄より転載


(了)
2002.09.04 rewrite
東京都世田谷区北沢1丁目(Page3)
words5 1990.Aug〜Dec

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