蒸気機関車と鉄道趣味

29後編

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国鉄 越美北線の8620形・後編(1973.4.2〜5)

「越美北線の8620」後編

(minolta SRT101・ロッコール58/135mm f1.4〜3.5・fujicolor N100)

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柿ヶ島トンネルを出た単機ハチロクは九頭竜川を渡り、再びトンネルへ。勝原駅は間近だ。
紅葉の名所、九頭竜峡の雄大な岩盤を背景に。
(28651 柿ヶ島〜勝原 73.4.3)

越美北線は、北陸本線の越前花堂から勝原に至る盲腸線だが、岐阜県から北に延びる越美南線との接続を目指して延伸工事が進められた。撮影前年の1972年、勝原〜九頭竜湖間が長大な荒島トンネルによって開通したが、蒸機はターンテーブルのある勝原で折り返した。蒸機ダイヤの合間に九頭竜湖まで新線をDCに乗って往復したが、写真は撮っていない。味わいのないコンクリートのトンネル壁ばかり眺めていた印象が残っている。越前と美濃を結ぶ越美線の未成区間(九頭竜湖〜北濃間15km)は、悲願の接続を実現できるのだろうか。

前年、勝原〜九頭竜湖が開通したが、線区のほとんどが急勾配とトンネルなので、
ハチロクの運用は勝原で折り返し。ターンテーブルで向きを変え、再び山を降りる。
(28651 勝原駅 73.4.3)

勝原駅で出発を待つ28651。煙室扉上部の磨かれた手摺や、ランボード横の白線が美しい。
撮影より5年前、1968年10月の福井国体の際に御召列車を牽引した誉れ高きカマだ。
現在、九頭竜湖駅近辺の穴馬民俗館に静態保存中という。
(28651 勝原駅 73.4.3)


九頭竜川のガーター&トラス橋を勝原に向かう。
写真の右枠を外れたあたりにぽつんと柿ヶ島駅がある。
汽車を待つ間、傍らに置いたラジオから
天地真理の新曲「若葉のささやき」が流れていた。
(28651 下唯野〜柿ヶ島 73.4.4)

勝原で折り返し、南福井に戻るハチロクを柿ヶ島駅付近で撮影。
(28651 柿ヶ島〜勝原 73.4.4)


雨の足羽川越しに築堤を行く28651を遠望。
(28651 一乗谷〜越前高田 73.4.5)

足羽川の渓谷に美しい橋梁が続いた一乗谷〜美山の線区は、平成16(2004)年7月18日の集中豪雨で5つの橋梁が流出し、2005年11月現在、まだ復旧に至っていない。下の写真2枚は、一乗谷〜越前高田間の一乗谷寄りの第一足羽川橋梁だと思われるが、この美しい風景が再現されるのはいつになるのだろう。もちろん、ハチロクの勇姿復活は望むべくもないが。

JR越美北線の橋梁被災現場を見る(その1)
JR越美北線の橋梁被災現場を見る(その2)
越美北線 復旧工事始まる
被災の状況と現状について記述のあるページを紹介。

足羽川の橋梁を渡り一乗谷駅に向かう貨物列車。この日は雨が降ったり陽が射したりの天気。
(28651 一乗谷〜越前高田 73.4.5)

在りし日の第一足羽川橋梁。2004年、6つの橋桁のうち3つが流失した。
この写真を見ていると穏やかで美しい川なのだが、自然の力は強大で侮れない。
(28651 一乗谷〜越前高田 73.4.5)

一乗谷駅に憩う28651。
(28651 一乗谷駅構内 73.4.5)


越前花堂〜六条の直線区間を力走する28651。
(28651 越前花堂〜六条 73.4.5)


枯れススキを揺らせて通過するハチロク。
スリムなボイラーと二つのドームのシルエットが絶妙だ。
(28651 越前花堂〜六条 73.4.5)

福井の平野部を過ぎると、行く手には急勾配が待ち受ける。
美濃街道に沿って勝原方面に向かう貨物列車。
(28651 越前花堂〜六条 73.4.5)

踏切にて。警報器が鳴り始めるまで粘る。
越美北線の蒸機サヨナラ運転は1973年5月27日。
この日からおよそ50日後のことだった。
(28651 越前花堂〜六条 73.4.5)

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国鉄 越美北線の8620形・後編(1973.4.2〜5)
(minolta SRT101・ロッコール58/135mm f1.4〜3.5・fujicolor N100)

2005.11.20記

train291973.4.2〜5
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