おかやどかりの飼育

09話
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「宿」の変遷


そろそろ脱皮かな?と思ったら・・・

 夏休みが終わった。台風11号が通過してから、灼熱の大阪もコトンと気温が下がり、過ごしやすくなった。金魚やヤドカリの水槽の水温は26℃前後で良い感じなのだが、急に変化するのも困りものなのだ。またもや金魚に白カビ病の徴候がでてきている。

 で、今回はオカヤドカリのレポートだ。8月は砂に潜ることもなく、活発に動き回ったので、ずいぶん娘のオモチャにもなってくれた。ごくろうさんである。娘の「ハムハムハウス」をあてがわれ、ハムスターの代役を演じていた。これは、ハムスターの家の玩具で、階段やブランコやエレベ−タ−、スベリ台などがついていて、ま、ヤドカリにとっちゃ「得意」の類いのステージなのだが、いかんせんプラスチック製なので、「滑る」。カサカサと足音をたてながら、ドアを押し開けたり、エレベーターに乗ったりするのは愉快なのだが、上部に登ると脚がかからなくなって、「コーン」と床に落ちてしまうのだ。しかし、このテの「迷路屋敷」ものは興味津々に見え、オカヤドカリも結構楽しんだのではなかろうか。実際は死ぬほど恐ろしくて必死で隠れ場所を探していたのだろうけれど。人間は勝手なもんだ。

 現在入っている緑色の貝殻は、そろそろ1年になる。最初はやや大きくて、もてあまし気味だったのだが、今はもう身体がはみだしてしまうようになった。引っ込んだ時に、はさみの部分が貝の中におさまらなくなっている。ひと回り大きな茶色の貝が入れてあり、これはさすがにやや重い。毎日覗き込んだり、はさみを突っ込んでみたりしているようだが、まだ宿替えの決心がつかないようだ。もう一つ「ツメタガイ」の貝殻もあるのだがこれはさらに大きく重い。さて、どちらに入るのか?

 これらの貝殻は、手芸や細工用に東急ハンズでセット売りされているものだ。ところがこのセットは二枚貝なども取り混ぜて詰め合わせてあるので、ヤドカリに使えるものはひと袋に1〜2個しかない。バラ売りしてくれればありがたいのだが。今入っている緑のものとひと回り大きな茶色の貝は、たぶん「コシダカサザエ・チョウセンサザエ」の仲間だろう。トゲの無いサザエだが、わたしはこの茶色のほうの貝が好きだ。貝径は4cm強。何となく「和風味」があって良い。「ツメタガイ」は厚みがあってどっしりし、表面もツルツルで光沢があり、クルマで言えば「ベンツ」みたいだ。高級すぎて、ウチのヤドカリにはあまり似合わないような気がする。

 「コシダカサザエ」も「ツメタガイ」も、さらに大きい貝殻が一つずつストックしてあり、貝径は5〜7cmくらい。そして我が家でいちばん大きな巻貝の貝殻は「ヤツシロガイ」で、これは貝径20cm以上ある。まさか、これに入ることはないと思うが、そうなりゃヤドカリも「猛獣」だ。だって、はさみの大きさはCD-ROMくらいになってしまう。クルミなんか一発で割れるぞ。

 涼しくなってきたせいか、今、さかんに砂を掘り始めている。そこらじゅう穴だらけだ。しかしいまひとつしっくり来ないようで、潜ってしまうに至っていない。そろそろ脱皮なのだろうか?次の脱皮が成功すれば、宿替えするつもりなのかもしれないなあ。

 と、ここまで書いて写真を撮ろうと水槽を見たら・・・。ありゃりゃ、完璧に潜ってしまっておるではないか! これで2週間は撮影できない。仕方がないので今回は、おかやどかりの貝殻の変遷写真のみでお茶を濁すか・・・と、貝殻を並べていたら・・・、ギョエー!大金魚が産卵を始めた。これじゃ、「秋も、たいへん!」だ。


↑真ん中に現在の姿を配置しての撮影を目論んでいたのだが、原稿を書いている間に潜ってしまった。購入時はアマオブネガイに入っていた。そして現在は左のコシダカサザエと右のチョウセンサザエ(茶色)のちょうど中間の大きさの貝に入っている。だが、もうキツキツである。しかし3年で結構大きく育つものだ。


←あ〜あ、温度計を倒してしまった。ひとたび穴を掘り始めると、水槽中が穴だらけになる。具合のよい場所が見つかるまでひたすら掘りまくる。どうやらウチのヤドはオスのようですね。第3脚目の付け根に生殖口が見当たらない。今回、撮影前に潜ってしまったので、この写真は7月18日のようす。

↓砂を掘っているときは夢中だ。
2001/09/02 (Sun)

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