レトロガラクタ偏故洞
駅弁当包装紙
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ガラクタ懐古趣味・偏故洞

駅弁当包装紙18 旧国鉄 宗谷本線 稚内駅 幕の内弁当(200円)
1974(昭49)年3月26日

稚内駅/幕の内弁当

 昭和49年の宗谷本線・天北線、稚内駅の幕の内弁当掛紙。弁当の価格は200円である。この年は春と夏の二度北海道を訪れた。蒸気機関車廃止前のスベリコミ撮影旅行ゆえである。この弁当は春に購入したものだが、なにせ高校入学前の休み。潤沢な旅費など望むべくもなく、宿泊のほとんどを急行列車の車中泊で賄い、疲労が溜まる頃合いにユースホステルなどに泊まった。そういう旅を計画すると、どうしても稚内に立ち寄る頻度が高くなる。長距離の夜行急行「利尻」が札幌〜稚内間を走っていて、これが蒸機牽引の客車列車であった。夜旅はやはり静かな客車のほうがよく眠れる。夏旅では駅の軒下や待合室で仮眠することが多かったが、雪残る北海道の3月はもっぱらこういう夜行客車急行で移動と睡眠を同時に得た。道東へも同様の「大雪」という夜行客車急行が走っており、札幌―稚内―札幌―網走―札幌―釧路というように車中泊を重ねてゆけば、追加料金を支払うことなく周遊券のみで眠る場所が確保できたのだ。移動のハブとなる札幌の方が発着回数は多いけれど、都会である札幌では駅を降りることなく乗り換えて夕張方面などの撮影地に向かったので、最北の地、稚内で地に足を下ろす回数が最も多かった。おのずとアキ時間もできたので、ヒッチハイクで最北端の碑を見に行ったり、思わぬ降雪の日には駅前の旅館を奢ったこともあった。道内では馴染み深い駅のひとつだ。
 この稚内駅の『お好み御弁富』は、シンプルな線画イラストに渋めの4色刷り(黄・黄緑・金赤・スミ)で、いかにも幕の内らしい風情を醸し出している。なにより当時は必ず印刷されていたと言ってもいい「DISCOVER→JAPAN」のロゴがないのも好ましいが、200円という当時でも格安の値段で販売されていたことと合わせて、この弁当を販売していた「丸定」という業者の撤退となにがしかの関連があったのかもしれない。
 駅弁趣味総合サイトで調べてみると、この『お好み御弁富』、後に商品名と基本デザインはそのままにリニューアルされて「サンエイ興産」という業者が引き継いでいたようだ(1980年・500円のバージョン)。こちらには「いい日旅立ち」のロゴやクマ等のカラーイラストが追加されていて、紙もコート紙系になった。(←「駅弁の小窓」より)。また、後継弁当の内容写真が掲載されているサイトもあった。業者名は「サンエイ商事」に変わり、お値段は630円(撮影年不明/いい日旅立ちロゴは無し)。内容は、わたしの食べた頃とさほど変わってはいなかったと思われるが、ホタテが入っているではないか!もしや二百円の時にも?(←「町営食堂」より)。しかしこの駅弁、どうやら現在はもう販売されていないようだ。


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2006.12.08