|
平成20年12月 仲冬の句会
|
【冬の海】 冬の海汲みて社の縄洗ふ 天天天 仲春 冬海に矢を放ちたる神事かな 天地地人 仲春 前後して瞽女の旅行く冬の浜 天地地 音澄 冬の海モビィ・ディックが沖をゆく 天地人 喜の字 金箔の陽差しを浮かべ冬の海 天地人 芝浜 冬の海ひとりあそびの鳥がいる 天地 喜の字 島影も暮れて茜の冬の海 天人人人 風写 機関長最後の航海冬の海 天 駒吉 ホームレスぢっと見ている冬の海 天 駒吉 半島の裏に船あり冬の海 天 音澄 冬の海どこから先は春の海 天 芝浜 うねうねと骸を並べ冬の浜 天 豆蛙 独り旅骨裂く音す冬の海 地地人 華南 さみしさや立って沖見る冬の浜 地人人 逆月 冬の海豊饒隠す白き牙 地人 豆蛙 渾然と宇宙(そら)とけ込んで冬の海 地人 雨不埒 網あふれ冬の海咲く帰り船 地 風写 戦没者叩き起こすや冬の海 地 駒吉 北へ行く車窓片側冬の海 人人 喜の字 尼寺の裏に逆巻く冬の海 人 逆月
【年忘れ】 年忘れ片手挙げ師は角に消え 天天天天人 華南 忘年を詰め込んで行く終電車 天天天地地地地地人 喜の字 賑やかに終わり寂しき年忘れ 天天地 仲春 忘年会終えて遺影と向かい合い 天地 華南 凜然と忘年会の欠に丸 天地 呑暮 忘年会十の笑いに十の忍 天人 逆月 年忘れ誰もが元気空元気 天 駒吉 名幹事今年はいない忘年会 天 山女 年忘れ歳を忘れた盃の数 地地人 風写 行くまでは心弾むや忘年会 地人 音澄 忘年会新メンバーはミルク飲む 地人 松毬 職離れ電話の向こうの忘年会 地人 山女 年忘れ末席にいて満喫す 地 音澄 結局はあいつを偲ぶ年忘れ 人人 喜の字 都都逸が出てお開きの年忘れ 人 仲春 級長も只の人なり忘年会 人 雨不埒 年寄りがはげましている年忘れ 人 仲春 六十も越せばいつでも年忘 人 華南 そもあれも鍋に煮込んで忘年会 人 逆月
【塩鮭】 塩鮭や添え状なしが友の文 天天地人 呑暮 焼き直す塩鮭の身の堅さかな 天天地人 音澄 塩鮭が流し目送る御徒町 天天地人 華南 新巻を背負いし父の「君恋し」 天天 華南 粗壁に塩鮭の影ずっしりと 天地 仲春 新巻や吊るされてなお格のあり 天地 逆月 塩辛き声塩鮭を売り立てる 天人 豆蛙 塩鮭や昭和じっくり噛みしめる 天 駒吉 上野山由一の鮭の味想ふ 天 芝浜 塩鮭や蝦夷の海鳴りついてくる 地地地人 喜の字 老母から塩鮭届くワンルーム 地人 呑暮 荒巻に父の名前の黒々と 地人 華南 塩鮭の切り身の光る厨かな 地 逆月 北海の香をみなぎらせ塩の鮭 地 駒吉 塩鮭を買うホステスの土曜午後 地 喜の字 新巻が頭上に跳ねて値ぶみ声 人人 風写 景気落ちサイズダウンの新巻鮭 人 山女 塩鮭やアメヤ横町泳ぎけり 人 喜の字 会いたいと新巻の人にメールする 人 山女 採点の辛き教師を「塩鮭」と 人 仲春
|
|
|