(メールマガジン"ZEKT"寄稿コラム バックナンバー)

vol.4:会計ソフトで青色申告
2003年02月09日(日)配信分
 まいどでございます。偏屈・不器用・貧乏性のcaveでございます。

 いや、年が変わっても、ちまたは暗い話題ばかり。ちっとは明るいコトでも書け!と言われそうですが、そういうわけには参りません。わたしのほうは、あいかわらずの「ぼやき」なのでございます。明るい話題は、他のコラムニストの皆さんどうぞよろしく、ということで…。

 さて、フリーランスや個人事業でやってらっしゃるクリエイターの皆さんには、そろそろ年に一度の税務署とのお付合いシーズンがやって参りました。わたしのほうも青色申告初心者ということで、書籍やなんやらと格闘してきたんですが、いまいち要領を得ませんで、やや憂鬱でございます。確定深刻、ってなところで。

 一昨年前までは、「へっぽこ役員」の身の上でしたもので、この時期といえば社員の給与査定なんかに首を突っ込んでおりましたのが、いまや帳簿付けの日々でございます。簿記の基礎みたいなものが全然ありませんもので、会計ソフトなるものを頼って、よれよれで申告書を作成しているんですが、こちらの世界でもマック使いにはせち辛いことになってきております。

 この手のソフトも時流のとおり「窓組」一色でして、「林檎」対応のものは種類が少ない。その数少ないもののなかから、なんとかひとつ選択して慣れるべくエイコラ使っておりましたら、なんと昨年暮れに「マック版開発継続断念」の通知。永久にバージョンアップされないことになってしまいました。まあソフトハウスも大変なんでしょうが、年次によって制度の変更があるようなものを、ポイッとリストラしてしまうというのは、あまりにもユーザーをないがしろにしているんではないでしょうかねえ。恨めしいのは「窓版」のみで一人勝ちしている某会計ソフト。儲かってるんだろうから、マック版も作れやい!

 いまさら簿記のためだけに「窓」本体購入も大袈裟だし、だいたいPC購入資金があれば税理士に依頼できますがな。会計ソフトはいったん慣れてしまうと乗り換えもおっくうです。ここはなんとかマック陣営の奮起を期待したいところです。

 グラフィックデザインの仕事などでは、小売業のような面倒な「仕入れ」や「棚卸し」がありませんから、まあ簡単。とはいえ仕入れがないだけに経費はマメにチェックしとかないと、がっぽり税金持っていかれてしまいますな。慣れるまでは仕訳や原価償却なんかにやや戸惑いますが、決算もイッパツでパソコンがちゃちゃっと出力してくれますから便利なものです。「白組」の皆さんも会計ソフトで青色申告にチャレンジされてみてはいかがですかね…。なんて偉そうなことをいっておりますが、わたしもそろそろ申告書書かにゃなりません。ああ面倒。

 しかし、青色申告の帳簿付け、会計ソフトを使ってやりますと、これがなかなか愉しい。適当にやるわけには行きませんが、ま、「○○育成シミュレーションゲーム」みたいなワクワク感がないこともない。売掛金を入力してしばし待ち、ギャラの入金があったときなどタイピングの指先も弾みます。もっとも売上キリ番達成でジャーン!とイベント画面があらわれるのかどうかは、そんなに売り上げてないので知る由もありませんがね。

 自分の貧乏加減をセキララに数字で示してくれるワケですから、もちっとがんばらにゃイカンなという警告にはなりますが、儲けてもその分、持っていかれるんですからいまいちテンションは上がりませんな。その上この不景気で、下請けの下請けのような個人事業主同士の仕事が多いですから、源泉徴収されていない収入も多いぞ。さてさて今回はいったいどのくらい税金を「奪回」できるものやら。

 国会中継や新聞など眺めておりましても、不安定かつドン底の経済状態はまだまだ続くみたいですから、ここは、帳簿をつけることによって自分のお財布の状態を把握しつつ、あくせくせずにのんびりやって次に勝負をかける機会を待つのが良いということなのかも知れませんな。

 てな意味では、今こそ「会社勤め」より、自由度の大きな「個人事業主」の時節が到来しているのかな、という感じがしておるんですが、どうなんでしょう。